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『あるものだけを売る』『いつもの相手だけに売る』が双日エアロスペースの機能ではありません。
商社の立場から新しい商品・新しい市場をクライアントに提案し、ともに戦うパートナーとなります。
このように「価値の創造」を具現化した事例を紹介します。

同素材・海外市場での民間航空機ビジネス拡大(鉄鋼メーカーの事例)

当社とK社とは、双日グループを挙げて密にお付き合いさせていただいている。同社は航空・宇宙用チタン素材とアルミニウム素材の製造認証を得ており、従来それらは、民間航空機や自衛隊機などのエンジン部品や機体構造部品、またロケット用エンジン部品の素材として利用されていた。
近年の民間航空機製造市場の活況を追い風に、当社とK社とで民間航空機市場におけるビジネスの拡大を目指し、特に当社とK社にとって未開であった海外市場の開拓に力を注ぐことになった。

K社は新規ビジネス拡大のための設備投資として、チタン鍛造工場を新設。チタン材製造のため、世界でもトップレベルの力量を誇るプレス機を導入し、世界最大級の航空機用素材を製造できる生産態勢を築き上げた。

さらにK社は、鋳造設備の拡充を図り、航空機エンジン用素材の製造能力を大幅に増やした。

「メーカー側の準備はできていた。あとは当社が売先を見つけ、ビジネスを創るだけだった」こう語るのは民間プロジェクト室長。「何としても新しいビジネスを創らなければならないという大きなプレッシャーがあるのは当然だが、それ以上にやり甲斐があった」。
部下をロンドンの駐在員事務所に送り出す際、欧州航空機器メーカーへのK社製ランディング・ギア(※1)とエンジン・ケース(※2)の売り込みをミッションとして与えた。その駐在員は欧州での3年間、このプロジェクトに心血を注ぎ、ついにK社受注に導いたのだった。

K社が民間航空機分野で国内メーカーのみならず、海外メーカーに対してビジネスを広げた瞬間だった。

※1 ランディング・ギア:降着装置。航空機が離着陸時に接地する、タイヤおよびタイヤの支持機構。
※2 エンジン・ケース:エンジンの骨格ともなる構造体。